「徹夜で働いているが全く儲からない…」真の社長の仕事とは?
1.はじめに
日本の経営コンサルタントの第一人者「一倉 定」氏の格言で
「いい会社、悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である。」
「事業経営の成否は、99%社長で決まる」
というものがあります。
つまり、変化の速い現代社会の中で、企業のトップ「社長」が胡坐をかいていたら、あっという間に倒産してしまうはめになります。
しかしながら、社長が猛烈に働いているのにもかかわらず、企業が倒産してしまうケースも決して少なくはありません。
そこで今回は「正しい」社長の仕事を説明していきます。
2.「社長力」を飛躍させる
2.1 経営に関することは、すべて経営者のせいである
うまくいっていない経営者は、「失敗の原因」を自分ではない、他の誰かのせいにしています。なぜうまくいっていないのかという原因を追究しないと、当然ながら経営が良くなるはずがありません。
うまくいっていないときは、自分自身を冷静になって、客観的に見つめ直してみましょう。
経営者には、「宇宙に空気がないのも、自分のせい」ぐらいの覚悟が必要です。
2.2 ほとんどの成功は「偶然」である
経営とは、面白いものであり、経営者の実力とは関係なく、うまくいく場合もあります。
時流やブームにたまたま乗っていたり、成功する要因が偶然にも揃っていたり、ある部分のスキルが、異常な程飛びぬけていて全体の成功を支えたりする場合、成功してしまいます。
果たして今現状の成功は
「成功したのか」「成功してしまったのか」
それは10年以上継続してみないと判断はできません。
しかし、ほとんどの経営者は、少し結果が出ただけで実力を過信してしまいます。
起業当初はうまくいっていたが、失速してしまう原因は、実はここにあります。
「今は、自分自信の実力以上に結果が出ている。だから努力し続けよう」
そうやって自分自身に厳しく問いかける経営者が、長く成功し続けられます。
2.3 周りの声に、耳を傾けているか
人の声に、素直でいることは非常に難しいことです。
なぜなら、素直に受け取ってみるのではなく相手の意見を拒否した方が「自分を持っている」という「感じ」がするからです。
経営者は「自分を持っていたい」人種です。しかしそれは決して悪いことではありません。
しかしながら、その欲求を簡単に満たそうとするから、結局本当の自分を持てません。
しかし、素直さを放棄して、拒否から得られる「自分を持っている感」は偽物です。
経営者は成長しつづけなければ、なりません。
素直さを「弱さ」だと勘違いしていませんか。素直さというものをもう一度振り返ってみましょう。
2.4 90点で良しとしていないか
100点未満とは、非常に怖い数字です。なぜなら提供者側は、それで満足してしまうからです。
お金を払って購入してくれるお客さんは、100点未満で満足することは絶対にありません。
しかし、95点ぐらいでも、多くの提供者は満足してしまいます。この意識の差が「失敗」を生んでしまいます。
ビジネスは、学校のテストとは全く違います。「90点超えたから良かった」なんてことは決して考えてはいけません。
また100点を取っても、喜んではいけません。お客さんは、100点で「当然」だと思っているからです。
それを理解していない経営者が多すぎるから、多くの企業は約3年程度で倒産してしまいます。
2.5 自分自身を「上位1%」の優秀な人物だと勘違いしていないか
新しく生まれた企業は10年立つと、約90%が消滅します。これが現実なのですが、多くの経営者は直視できず、自分は上位1%の人間だと、常に考えています。
故に、簡単に企業が倒産してしまいます。「自分は優秀だ」そう思ってしまうことによって、自分を変化・成長させようとする強い動機を持たなくなります。
そのような経営者が事業を継続できるほど、世の中甘くはありません。
2.6 あなたの「当たり前」は大丈夫か
「当たり前のことを、誰よりも当たり前にする」というフレーズは、よく聞きますが、その「当たり前」の基準は、人によって違います。
優れた経営者は、「当たり前」を「出来ているか否か?」という基準で判断します。
その反面、失敗してしまう経営者は「当たり前」を「知っているか否か?」という基準で判断しか考えません。
果たして、あなたはそれに気づいているでしょうか。あなたの「当たり前」に対する態度は大丈夫でしょうか。
確認してみましょう。
2.7 力を「正しい方向」に使用しているか。
ビジネス上のスキルは、他人を幸せにすることもできるが、他人を不幸にすることもできます。
「自分の持つスキルは正しい方向性に使われているか。」
スキルを身に着けるほど、自分に問うことを習慣付けましょう。
2.8 従業員の給与を「人件費」だと思っていないか
従業員に支払う給与は、「費用」ではありません。人は「手段」ではなく、「目的」です。
経営というものは、「関わるすべての人々を幸せにする仕組み」です。
人を道具・手段だと考えるような経営者に、人はついていきません。
2.9 自分の給与を「最初に」取っていないか?
仕事というのは、自分に与えられた役割・使命を果たした時に、報酬をもらう権利が発生します。
社長の仕事とは、経営という「関わるすべての人を幸せにする仕組み」が永続するために必要な「あらゆること」をすることです。
しかし、それを出来ていないのに、報酬だけ取ろうとする経営者があまりにも多すぎます。故に、失敗してしまいます。
「社長の給与は、最後に決める」というのは、非常に厳しくて大変なことです。しかし、だからこそ、社長の給与は青天井で、夢や希望があります。
2.10 公私混合をしていないか?
悪い時に、公私をきっちり分けるのは当然だが、ほとんどの経営者は「良い時」に公私のケジメをつけません。
公私の境目がないと、会社にいつ出社するのも社長は自由なので、社長としては楽かもしれません。
しかし、会社としては、次の2つの大きなマイナスが生じてしまいます。
- 社員の士気が下がる
- どんぶり勘定になって資金繰りが見えなくなる
会社の所有は、社長かもしれません。しかし会社には、多くの人と関わりを持って存在している社会の「公器」でもあります。
「会社は、社会の公器。」だと念頭に入れている社長こそが、成功し続けます。
2.11 No.1を目指しているか?
「お客様のことを第1に考える、顧客第一主義です!」と公言している企業は少なくありません。
しかし「No.1です」と公言している企業は多くはありません。
しかし、冷静に考えるとおかしいことになります。
何故なら顧客第1主義を掲げているのにナンバーツー以下の商品を提供していることになります。
市場には、自社よりも優れた商品・サービスが多くあるのに、優れていない商品・サービスを提供して、
果たしてそれが本当に「顧客第一主義」なのでしょうか。
お客様のことを本当に考えたら、No.1以外の商品・サービスを市場に提供することは、顧客第一主義には決して沿ってはいません。
お客さんのことを考えて、必死にナンバーワンを目指しましょう。
2.12 あなたを支えてくれている人たちに、常日頃感謝しているか?
経営とは、企業に関係する人すべてを幸せにする活動です。故に、人を大切にし、感謝している企業が成功し続けます。
少し結果が出ただけで、舞い上がってしまい、あなたの周りの人を「ないがしろ」にしていないでしょうか。
あなたの成功を支えてくれる人たちを、低く見ていないでしょうか。
大切なものは、あなたの中で当たり前になっていき、普通と化していきます。
しかし、それを軽く扱う社長は、どこかで必ずその重さを思い知り、痛感します。
あなたを支えてくれる人がいるから、自分があることを忘れてはいけません。
2.13 経営においての成功とは何か?
経営の成功とは何か?を考えたときに、商品・サービスを販売して儲けることも、企業そのものが大きくなることも、社長自身が有名になることも、経営上大切なことになるが、それらは「手段」であって「目的」ではありません。
しかしながら、頭では分かっていても、「手段」と「目的」の境界線がわからなくなっていき、最後には、多くの企業は手段が目的になってしまいます。
経営の目的を今見失っていないか。深く考えてみましょう。
2.14 商売を卑しいことだと思っていないか?
商売=お金を稼ぐ=卑しいことだと、考えている社長は、決して少なくありません。
お金を稼がないと、従業員にお給料も払えないし、次の商品開発もできなくなります。
お金を巻き上げろとまではいきませんが、お金がもらえないのであれば、結果的に自社を利用していただいているお客さんに迷惑をかけてしまいます。
「商売=人の役に立つこと」「商売=人に喜ばれること」だというマインドセットを身に着けると、経営の根幹が変わってきます。
2.15 「お金」を避けていないか
経営は、お金を稼ぐためにあるわけではないですが、その仕組みを継続させるためには。お金が必須になってきます。
故に、「お金」のことを徹底的に考える必要性があります。
「お金」というものは、素晴らしいと心の底から、そう言える社長を目指しましょう。
2.16 「心のブレーキ」を持っていることに気付いているか?
人は誰でも、知らないうちに「考え方」というのを身に着けています。成長を促すものもあれば、そうでないものもあります。
思考力が未熟なうちに会得してしまった考え方は、排除しなければ、次に進むことはできません。
社長であれば、次の6つの項目を確認してみましょう。
1.「商売は悪いこと」だと思っていないか?
2.「儲けるのは悪いこと」だと思っていないか?
3.「お金は汚い」と考えていないか?
4.「私だけ幸せになるのは悪いこと」だと感じていないか?
5.「好きなことをするのは悪いこと」だと感じていないか?
6.「人と違うことをするのは、悪いこと」だと感じていないか?
2.17 「自分は一人では何もできない」という問題意識の自覚はあるか?
基本的に「起業する!」と意気込んでいる人は、優秀な人が多いですが、
有名な企業で、結果を出していたので、そのまま「自分は成功する」と錯覚してしまう場合が少なくありません。
果たして本当に、それは「自分だけ」の実力だったでしょうか。自分一人だけで、成果を出していたでしょうか。
物事を始める前に、一度考え直してみましょう。
2.18 「人」を知る努力をしているか?
経営は、関わる全ての人を、幸せにするための活動です。
故に、人のことを、深く理解している人が成功します。
しかし、多くの社長は、経営の表面的な部分だけを追いかけて、
悩んでしまっています。
自分以外の、他人のことを深く知ろうとしているでしょうか。
そもそも、知る努力をしようとしているでしょうか。
理解しようと努め続ける社長だけが、成功し続けます。
2.19 「危機感」を「バネ」にしているか?
大好きなことをしていたら、成功できる…
心地の良いことをしていたら、成功できる…
確かに、そういうケースもあります。
多くの経営者は、一旦成功したら、今の成功がずっとこの先もずっと続くと思ってしまいます。
しかし、永続的に成功し続ける経営者は、「明日会社がつぶれるかもしれない」という危機感を、常に心の中で考えています。何故なら、一生続くビジネスモデルなど、存在しないからです。
物事がうまくいけばいくほど、危機は同時に訪れます。
故に、成功というのは、同時に危機への架け橋でもあります。
前向きな「危機感」を持ち続けるように、心がけましょう。
2.20 当たり前のことを、誰よりも当たり前にやっているか?
「優位性」を築くことが、ビジネスの世界では、重要になってきます。
しかしながら、一旦構築した「優位性」を保ち続けるのは、容易ではありません。
保ち続けるには、どうすればよいのか。
それは物事の基準「当たり前」を、常に誰もできないぐらいにやることです。
巷に販売しているビジネス書で書かれていることは、特段変わったことではなく、ありふれた内容であり、基本的なことです。
しかし、それが完全にできている企業は、どのぐらいあるでしょうか。
ビジネスというのは、変わったことや、特別なことをしないといけない、と思い込んでいないでしょうか?
競合他社が、やっている当たり前のことを、誰もできないぐらいに徹底してやること。
それだけで「優位性」を築くことが可能です。
2.21 物事の成長曲線の段階を把握しているか?
「やっても成果が出なかったから、やめた」
よくある話ですが、それはどれぐらい打ち込んだのでしょうか?
成長曲線は、穏やかな上昇カーブは描きません。
ある臨界点を超えると急激に上昇します。
しかし、その直前というのは、最も大変な時期であることが、ほとんどです。
夜明け前が、最も暗く、夜が明けることを知っていれば、頑張れます。
もしかしたら、あなたの夜明けは、もうすぐそこまで来ているかもしれません。
2.22 ビジネスを明確に設計しているか?
「設計図なしで、家を建てます」という建築士と会ったら、あなたはどう思うでしょうか?
不安で、仕方ないと思います。
しかし、「ビジネスの世界は、何が起こるかわからないから、計画は立てない」という方がほとんどです。
それは、計画が悪いのではなく、計画の立て方が悪いだけなのに、そこに気づいている人は、どれぐらい存在しているでしょうか。
たしかに、思いつき(偶然)で成功してしまう企業もありますが、思いつきで成功し続ける企業は存在しません。
「家の設計図」をかけない「建築士」が家を建てることと、
「ビジネスの設計図」を描けない「経営者」が経営をすること、
どちらも、同じようで危険です。
「設計図」を、明確に描ける経営者になりましょう。
2.23 経営者としての訓練を日々しているか?
「成功しつづける経営者」と「失敗する経営者」の差は、一体何なのでしょうか?
それは、常に「なぜ?」を追求しているかの違いです。
成功する経営者は、知らない店で、ランチをしたら、その店の「客席数」「客単価」「回転率」を計算しています。
広さと付近の家賃相場から、家賃を計算し、必要売上月額を推察しています。
厨房とホールの社員数を概算して、人件費を計算し、月額の固定費を推察しBEP(損益分岐点)を把握します。
なぜ、その店が、流行っているのか?なぜ、その店は暇なのか?売上はどれぐらいで、費用はどのぐらいかかっていて、儲かっているのか?思考を張り巡らしてみましょう。
成功し続ける経営者は、そうやって、日々、訓練しています。
2.24 経営においての「技術」を磨いているか?
あなたの大切な人が、とても深刻な病気で、手術を必要としているとき、
・親しみやすく、説明もしっかりしてくれる20%の成功確率の技術を持つ医者
・ぶっきらぼうで、あまり説明もしてくれない99%の成功確率の技術を持つ医者
あなただったら、どちらの医者に手術を任せようと思いますか?
ビジネスのプロにとって、最も大切なものは、「技術」です。
どれだけ人格者でも、どれだけ人間力がありふれていても技術がないと人は救えません。
経営者は、社会の顕在・潜在ニーズに応えることで、人からお金をもらっているので、その分野の技術は、徹底して磨かなければいけません。
困っている人が、あなたのビジネスを必要とするとき、頼ってきたとき、「任せとけ」とすぐに言えるでしょうか?
心の底から、そう言える存在になるまで、「技術」を磨き続けましょう。
2.25 経営に必要なスキルを兼ね揃えているか?
経営力は、突き詰めて考えていくと、3つのポイントが成立しています。
1. 商品力…売り物を生み出す力
2. 営業力…売り物を売る力
3. 管理力…経営活動のすべてを円滑にマネジメントする力
経営力とは、このポイントの「かけ算」で決定されます。
「経営力=商品力×営業力×管理力」
だから、一つの要素が「0」になると、全体も「0」になってしまいます。
この3つの力をチェックするのは、最も簡単に経営力を自己診断できる方法は、次の方法です。
あなたの会社は、どの要素が強いのか?アクセルになっているのか?
どの要素が弱いのか?ブレーキになっているのか?
再点検してみましょう。
2.26 経営の12の要素を明確に点検しているか?
自動車には、危機を回避するために「車検」がありますが、
企業というものには、「検査」というものがありません。
故に、危ない状態で走っている会社は、決して少なくありません。
失敗が多いとき、伸び悩むとき、何故かわからないが、うまくいってしまっているとき、
次をチェックしてみましょう。
1. ミッション…ミッションはあるか?明確か?ステークホルダーに伝わっているか?
2. ポジショニング…ポジショニング…市場における位置がわかっているか?ユニークか?)
3. 商品力…商品力価値はあるか?絶対価値と相対価値があるか?
4. ブランド力…会社とお客さんとの接点があるか?生涯価値が高いか?
5. 集客力…知られる努力をしているか?自社の露出はあるか?
6. 見込み客フォロー…興味を持ってくれた方へフォローはしているか?
7. セールス…専門的アドバイスで背中を押してあげているか?
8. ファン化…お客様にファンはいるか?お客さんの好きか?
9. 経理・財務…どんぶり勘定になっていないか?
10. チームづくり…仕事観を共有しているか?チーム意識はあるか?
11. 仕組み化…仕組みを発想あるか?仕組みをつくっているか?
12. 投資…未来のための投資をしているか?自己投資をしているか?
この12の要素を確認するだけで、経営は飛躍的に安定します。
2.27 ステージに沿った優先的に取り組んでいるか?
会社の成長には、いくつかの段階があります。
第1ステージ…起業期(導入期)
第2ステージ…成長期
第3ステージ…完成期(成熟期)
気をつけないといけないのは、ステージによって経営者が取り組むべき「テーマは変わる」ということです。
フェーズが違うのに、完成期と内容を取り組み始めたりしても、かえって、会社が変な方向性に傾いてしまいます。
自分がどの段階にいるのか?中心課題・優先課題は何か?
それを、把握してステージに合った取り組みができるようにしましょう。
それぞれのステージでの、優先課題・優先順位を確認してみましょう。
優先課題(経営の要素)
1. 起業期に大切なのは、「商品力」(→「営業力」→「管理力」)
2. 成長期に大切なのは、「営業力」(→「管理力」→「商品力」)
3. 完成期に大切なのは、「管理力」(→「商品力」→「営業力」)
優先課題(財務三表)
1. 起業期に大切なのは、【CF】(→「PL」→「BS」)※特に預金残高
2. 成長期に大切なのは、【PF】(→「CF」→「BS」)※特に売上
3. 完成期に大切なのは、【BS】(→「CF」→「PL」)※特に自己資本比率
※CF=キャッシュフロー計算書 PL=損益計算書 BS=賃借対照表
2.28 コミュニケーション力を磨き続けているか?
経営は「関わり」を構築する活動です。
この「関わり」を構築していく上で、絶対にかかせないスキルがあります。
それが、「コミュニケーション能力」です。
そもそものコミュニケーション能力とは何か?
それは、自分の想いを、人に伝達し、人の想いを、受け取るスキルです。
しかし、成功できない経営者は、苦手だからと言って、このスキルから逃げています。
または、逆に十分にコミュニケーション能力が、自分にはあると過信しています。
故に、多くの経営者は、経営の基礎を築けません。
日々、己を見失わず「コミュニケーション力」を磨いていきましょう。
2.29 本当に、相手に伝わっているか?
相手に、自分の考えていることを、伝えるのは本当に難しいことです。
しかしながら、このことを熟知している人は、一体どのぐらい存在しているでしょうか?
故に、伝えるべきことを、正確に伝えられている人は、決して多くはありません。
野球のキャッチボールにおいては、「投げた球」と「受けた球」は同じです。
しかし、言葉の「キャッチボール」では、「投げた球」と「受ける球」は色も形も、全くの別物になってしまいます。
会社の経営者は、この事実を深く理解していないといけません。
そして、伝えたいことが伝わっていない時には、相手の責任ではなく、自分の責任にしなくてはいけません。
あなたは、一回で自分の意図が100%伝わると思い込んでいないでしょうか?
2.30 文字にして伝えているか?
成功する経営者は、「言葉」で伝えようとしています。
成功し続ける経営者は「文字」で伝えようとしています。
一体この違いは、何なのでしょうか?
それは「継続性」と「波及性」になります。
言葉というのは、目の前の人にしか伝わりませんが、文字は未だ出会っていない多くの人や未来にも伝わります。
しかしながら、文字にすることは、決して簡単ではありません。
故に、多くの経営者は、言葉による伝達だけで、済ませてしまい、満足してしまいます。
当然ながら、肉声でしか伝わらないこともありますので、言葉で伝えるのも重要です。
しかし、より伝えたいなら、文字にすることをおススメします。
2.31 「忙しい」を言い訳にしていないか?
「忙しいから、今はできない」
多くの経営者が、使うセリフだが、「現状を未熟なままにしていい」という前向きな理由には、決してなりません。
多くの経営者は、普通の人に比べたら、時間は圧倒的に足りていないのが、ほとんどです。
経営のすべての領域に、責任があり、安心して任せられるチームを構築できていない場合が、ほとんどなので、忙しいのは当たり前です。
しかし、「忙しさ」を言い訳にしてしまうと、経営は良くなるわけがありません。
「忙しい」という言い訳を捨て、経営の根幹を伸ばす仕事に向きあいましょう。
2.32 「即時行動」が当たり前になっているか?
経営者は、成長し続けなければなりません。
何故なら、経営者の成長がない限り、会社の成長も安定も望めないからです。
成長する経営者の特徴とは、何でしょうか?多くあげられますが、「第1歩が早い」ということです。
時間は有限であり、自分自身の未来は行動しか構築できません。
「即時行動」の習慣を身につけましょう。
2.33 「失敗する人物」になっていないか?
世の中には、絶対にできないことはあります。
どんなに、一生懸命にやっても、どんなに全力で取り組んでも、出来ないこともあります。
しかしながら、ビジネスの成功に必要なことは、基本的には、誰もができることです。
故に、「出来ることを、やらない人」それが失敗する人です。
物事の成功は、「出来るか、出来ないか」ではなく「やるか、やらないか」です。
出来ることを無視していないでしょうか?出来ることをしないで、悩んでいないしょうでしょうか?
まずは、「出来ること」を徹底して、徹底してやりましょう。
2.34 その行動は、2つ以上の意味を持っているか?
成功している経営者は、要領が極めて効率的です
同じ努力で、通常の人の何倍もの成果を出せます。
それはなぜでしょうか?
成功し続ける経営者には、1つのアクションで、2つ以上の効果を生み出すような、「一石二鳥」を常に心がけています。
しかし、効率の悪い経営を行っている経営者は、1つのアクションに、1つの効果しか考えていません。
この差は、最初は差が出ませんが、時間がたつに連れて、圧倒的な差になってきます。
「顧客満足度を上げつつ、会社の認知向上にならないか?」
など、常に1つのアクションに対して、複数のバリューを考えましょう。
2.35 効率的に、物事をこなそうとしていないか?
経営において、まず、必要なのは「効果」です。
実は「効率」でありません。
なぜなら、効果があって、成果が出ていない限り、どんなに効率を上げても無駄だからです。
10万円しか、売上を上げられない状態で、どんなに効率を上げても、経営に対するインパクトは大きくはありません。
故に、まずは、10万円を、100万円にすること、100万円を1000万円にすることが、重要です。
効果が出ない状態で、「効率性」より、「効果性」の方が優先順位は高くなります
成果が出るまで、インプットをやめては決していけません。
しかし、ラクをしたい経営者は、勘違いし、十分な成果を出す前から「効率的に」と考えてインプットを減らしてしまいます。
そんなやり方で、本当に必要な成果まで、たどり着くのは容易ではありません。
泥臭く、成果を出すことにフォーカスしましょう。
2.36 「ささいな約束」を守っているか?
仕事というのは、誰かから任されることです。
故に、「任されてもよい」と思われる信頼される人物だけが、仕事を得ていきます。
会社は、たくさんの仕事を任される場所であり、経営者は、そのトップです。
しかし、経営者になり、徐々に成功すると、「ささいな約束」を軽んじるようになります。
経営者だから、成功しているから、信頼されているのではなく、「ささいな約束」を守り続けているから、信頼されるのです。
信頼は、一瞬で出来るものではなく、少しずつ積みあがっていくものでありながら、無くなるときは、一瞬でなくなります。
あなたは「ささいな約束」をどのぐらい守っているでしょうか。自分自身の行動を見直してみましょう。
2.37 「時代の変化」から目を背けていないか?
我々は、「変化の時代」に生きています。
そして、変化の時代に大切なのは、リソースを抱えていることでもなく、ポテンシャルがあることでもありません。大切なのは、「適応すること」です。
だから、私たちが最も身に着けるべきは、適応力です。
適応力を磨くために、まず必要なのは、「変化を愛する」ということです。
変化を嫌っていたら、変化には当然対応できません。
変化を愛し、変化を受け入れましょう。
2.38 厳しい時に、前を向いているか?
どんなに優秀な経営者でも、長く経営をやっていると、本当に辛いことが、やってくることがあります。
「何をしたらわからない…」「誰を信じたら良くわからない…」
経営者は、それでも前を向いて歩いて行かなければいけません。
なぜなら、経営者は、従業員・株主・社会・従業員に見られています。
どんなに辛くても、我慢して、上を向いて進みましょう。
2.39 経営の「成功法則」を探し続けていないか?
経営に、「正しい道」はあるかもしれませんが、「近道」などありません。
しかし「近道」を探すのに忙しすぎて、成功する暇がない。そういった経営者が少なくありません。
「これをやれば、誰もがうまくいく」そんな都合の良い成功法則など決してありません。
- 考える
- 気付く
- 行動する・改良する
- 失敗する
成功者というのは、このサイクルを繰り返しているだけです。
地道に、物事を進めていきましょう。
2.40 心・技・体を磨いているか?
企業の成功は、「社長力」で決まります。
ビジネスモデルの良し・悪しが成功を決めませんし、
リソースの豊富さが、成功を決めるのではありません。
JALが良い例であり、トップが企業のすべてを決めます。
社長力とは、次の3つの要素で決まります。
(心)EQ、メンタル、考え方、完成
(枝)IQ、テクニック、技術、知性
(体)RQ、リソース、体力、資源
3つの要素に、偏りはないでしょうか?この3つのバランスが高まった時が、経営者としての継続が、約束されます。
常に、「心」を磨き、「技」を磨き、「体」を磨き、「社長力」を磨き続けるようにしましょう。
2.41 経営の本質を理解しているか?
経営とは「関わるすべての人を幸せにする仕組み」です。
どれだけ収益を上げても、どれだけ大きくなろうとしても、どれだけ名声を得ても、
それが人のためになっていなかったら意味がありません。
社会においての困りごとや、社会課題を発見し、ビジネスを通して、それらを解決して、社会を一歩理想に近づける活動です。
経営者は、誇りを持って、その本質を追求していきましょう。
2.43 ミッションを出しているか?
会社を創立するとき、最初に「ミッション」を上げないといけません。
ミッションとは、あなたの会社が、社会から何を担おうとしているのか?
どのように社会と関わっていこうとしているのか?
「社会における、あなたの会社の役割」それを言い表したものです。
だから、何を任せてもらいたいのか?
何を任せてもらって社会に貢献したいのか?
それを、真剣に考えなければいけません。
まずは、それを明確にして、社会に、より良く関わり、より良い影響を与える企業となりましょう。
2.44 「事業計画書」を作成しているか?
成功し続ける企業(特に上場企業)は、ほとんどは「事業計画書」を持っています。
しかし、多くの企業は、「事業計画書」を作成していません。
それは、なぜでしょうか?
作成していないのではなく、作成できないのです。
事業計画書は、自分の事業を熟知していないと作成できません。
故に、事業計画を立てられない経営者は、自分のやっている事業のことを、良くわかっていないということになります。
自社の事業のことがわからずに、成功し続けるのは、簡単ではありません。
事業計画書を持ちましょう。
2.45 3つの自由があるか?
経営能力が高い、経営者には「3つの自由」があります。
- 経済的な自由
優れたビジネスシステムも所持し、安定した収入がある。
- 行動の自由
優秀なチームを所持し、好きな仕事を楽しんでやっている。
- 社会的ストレス
関わる人達に認知され、愛し愛される関係である。
経営能力がない時点では、上記の自由はありません。
逆に言うと、3つの自由が味わえなければ、経営者として、まだまだ未熟です。
2.46 自分を失業させているか?
会社を興した時、経営者がすべき仕事は、経営に関わる「すべて」です。
事業を安定させられるまで、すべての物事に関わっていなければいけません。
しかし、社長が忙しいということは、仕事がシステム化されていないということです。
仕事を抱えて、満足していないでしょうか?
自分がやらなくてよい、社員が出来る仕事をやっていないでしょうか?
経営者の仕事は、自分をどんどん失業させていくことです。
自分自身をしっかり会社の中で、失業させていきましょう。
2.47 社長に残される、大切な仕事とは?
タイタニック号は、不沈船と呼ばれましたが、初後悔であっさりと沈没しました。
船の構造が悪かったわけではなく、乗務員が無能だったわけではありません。
ただ単に、目の前に迫ってくる、「氷山」を見過ごしただけです。
経営者の仕事は、将来の危機に備えて、次なる一手を考えることです。
未来を見つめ、自社の最も良い「方向」を決めないといけません。
3.まとめ
「社長の仕事」は、経営を通して社会の役に立ち、関わる人や社会により良い影響を与えられる素晴らしい仕事です。
社長の実力を高める努力をし続けること、そうやって自分と向き合い続けることが、重要になってきます。